【過去作】 【視線集めゲー】Look atsu meru!!

Unity,ゲーム制作

ごあいさつ

こんにちは。お久しぶりです。津笠です。
ツイのTLがすっかりUnity1週間ゲームジャムです。
unity1weekは1週間でテーマに沿ったゲームを作って公開するゲームジャムで色々な作品が出てきて面白いイベントなので参加されていない方も是非見てみてください。

私は!今回も!……参加しません。
ほんとはこういう機会に色々作っている方が技術や名前も上がっていい成長になるとは思うのですが、なにぶんグラフィックが作れないのでゲーム1本作るコストが高いんですよね。
1度だけ参加したときもコンセプトと雰囲気で乗り切った感があります。

今回振り返るのはその時作った【視線集めゲー】Look atsu meru!!です。

過去作の振り返りも多分これで最後(思い当たるのもあと1個しかないし)なのでお付き合いいただけると幸いです。

【視線集めゲー】Look atsu meru!!とは

「Look atsu meru!!」は2019年07月のUnity1Weekで1週間で作ったゲームです。「あつめる」がお題で現在355作品が投稿されています。

何を集めようかと色々悩んだのですが、半ば慣用句的に使われている「視線を集める」をゲームにすると面白いかなと思い、これを作ることとしました(多分誰ともネタ被りしないだろうなという自信もあったので)。
「Look(視線) atsumeru(集める)」と「Look at me(私を見て)」をかけたタイトルとなっています。

Look atsu meru

Look atsu meru

画面の中心の赤い人物がこのゲームの主人公です。
プレイヤーは画面をクリックすることで一度だけ主人公に声を発させることができます。道行く人々が多いタイミングで声を発することでより多くの視線を集めましょう。
ヘッドホンをしている人には声が届かないので注意です。

Look atsu meru

一体何人の視線を集めることが出来るでしょうか……

コンセプト

一番こだわったのはコンセプトです。むしろここしか頑張ってない。

コンセプトは現代社会のヤマアラシのジレンマです。

人が自意識を保つために他者からの視線が必要であり、人と人の繋がりが希釈したこの世界においてもそれは変わることはない。

しかし、人は傷付くことを恐れ、面倒を避け、心の距離を保とうとしている。
傷付かないために傷付けないためにはっきりとものをいうことを止め、自らの意識も曖昧のまま生きている。子供は自分の世界に籠もり、大人は自己を圧しこめて社会と合一化することでその存在を守っている。

だが、心の奥底で自意識を保とうとする精神は「寂しさ」として人に人を求めさせる。
誰一人現実に向き合うことを止めたこの世界で、改めて自己と向き合い、そのために他者と向き合う必要がある。
人は誰かが観測しないと存在が形を保てなくなる。それがストレスとなって自身を苛んでしまう。
心で求めたところで意味はなく、人と真につながるためにはまず声をあげなければならない。そして耳を傾けなければならない。

弱くても情けなくても人は互いを見つめ合うことで、求め合うことで生きていける。気丈なフリはやめて誰かに甘えて、甘えられて生きていけたら幸せだろう。

というのがコンセプトです。
グラフィックが作れないのでキャラクターをピクトグラム風にしたのですが、それが「誰でもない誰か」という匿名性を醸し出してていいですね。。

私の知り合いがたまにいう言葉に「ハリネズミの距離」というものがあります。人の心の距離を測るにはまず自分から少しづつ近づいて、相手が針を立てる距離まで近づかなくてはならない。近づいて相手の針が刺さる痛みを知ることで初めて相手との距離がわかる、というものです。

本作を作った当時はまだ彼と知り合う以前のことだったのですが最近になって本作のコンセプトとこの話に耳が痛い思いをするようになりました。

半年前に親しかった方と絶縁して以来(というかその方との関係の悪化から)人に近付くのが怖くて堪らなくなりまして霞を食べるような生活に変わり始めています。
それでも自分と仲良くしてくれる人たちがいて非常にありがたい限りで、自分もこのままじゃいけないと思う次第です。
今まで自身と誰かを救うために様々な物語を書いてきた私ですが、今何よりも本作が叱咤激励をしてくれます。

友達は大事に思っているからこそ大事にしないとね。半年前はそんな当たり前のことができなかったから。

もう一つ、隠れたコンセプトがありまして(言いたがるので隠れてないです)実は画面上に誰もいない時にクリックしても集めた視線は0にならず1になります。
この1人はまさしくプレイヤーで、「誰も見てくれていないと思っていても誰かが見てくれているんだ」という私からのメッセージです。

遊びとしてはそんなに面白くはないこのゲームですが、現在1000回以上ページが閲覧されていて、前にこの話をツイートしたときより増えています。
近年よく聞く話だとSNSで反応が芳しくなく落ち込むことがあったりするようですが、誰かが見てくれていることは忘れないでいておきたいです。
私も見てます。忘れないでください。

このブログも訪れた方が500人になりましてそろそろ面白いこと書かんとなぁと思っております。誰かが見てくれているというのは良い意味でも悪い意味でも身が締りますね。やっぱり自意識を保つには他者への意識が必要なんやなと。
あ、閲覧者がクローラーなんじゃっていうツッコミは無しで。もう閲覧数800回行ったときに700回は自宅のIPだったときに一旦凹んだから。ぬか喜びさせやがって。

ちなみに集めた視線とともに主人公からのコメントが一言表示されるのですが、コメントでは人間の身勝手さを表現しているのでそれは是非プレイして感じていただきたいです。
(集めた視線1人のときの「あなただけ」というコメントは大黒摩季を意識してます。全然関係ないですが)

おわりに

以上、【視線集めゲー】Look atsu meru!!の振り返りでした。

なんだか寂しくなってくるけどその寂しさも心地いい作品だと思っています。
興味あればこちらのリンクからプレイできるのでやってみてくださ~い。
https://unityroom.com/games/lookatsumeru

以上、お付き合いありがとうございました。
皆さま良いお年を!!

Unity,ゲーム制作